早期退職を考える
50歳になり会社から早期退職の説明ということで同年代の社員が集められた
早期退職は、50歳から55歳の誕生日までに退職すると55歳まで勤務したものとみなした勤続年数と少しの退職金の上乗せがある支援制度とのこと
半面、55歳を過ぎると給与が大幅に減額となるとのことで、どちらかというと給料が減るから早くやめたら?というのが会社が伝えたかったことなのであろう
私は当時、集められた社員の中では役職もあり、会社にはある程度認められていると思っていた
また、早期退職は遠い未来の話で他の同期の社員の事だと、心の中では他人事のように思っていた
時が経ち、53歳から54歳になる目前で、管理している情報システムの更新があり、急激に業務が忙しくなった
一緒に働いていた同僚が体調を崩して職場から異動することになり、私1人で客先で仕事をしていくことになった
幸い筆者は日ごろの運動と趣味で気持ちを切り替えているためか、気力と体力だけは人一倍あると思っている
仕事にやりがいも感じていたが、同僚が異動したことをきっかけに55歳以降の自分を考えるようになった
同僚がいたときは、同僚の上司であり先輩という思いがあったが、一人になり自分は今の会社で今の業務を続けることができるのか?
今の職場で働き続けられるのか?
55歳を迎え給料が下がった時にモチベーションは保てるのか?
家族を養っていけるのか?
などと色々考えるようになった
というより、今では考えるきっかけを与えてもらったと思っている
普段は常に顧客先で仕事をしていることもあり、本社の上司とは気軽に会話する機会が少なく、先のことを相談するのも面談を申し入れないと実現しない状況ではあるが、一人で考えていても仕方ないと思い、面談を申し入れ、以下の点を確認してみることにした
- 退職した場合の退職金の具体的な額
- これから等級や役職が上がる可能性はあるのか
- 会社は自分をどう見ているのか
退職金の額は、すぐに教えてもらえるだろうと思っていましたが、人事や経理などいろいろな部署が関わることもあり、算出までに1か月以上かかり、額が算出できたところで、上司と面談となった
当然退職金の額を聞く以上、上司からは会社を辞めるのか?と聞かれたが、まだ辞めるとは決めていないが、先のことを考えていきたいので教えていただきたいと言って話にこぎつけた
退職金の額
退職金の額は、世間に自慢できる額ではない。一般的な中小企業の退職金の平均以下だと思う。
先に役職定年を迎えた部長から本人が定年退職した時に支給されるおおよその額を聞いていたので、それより若干少ない程度だろうと思っていた。
結果は予想どおりで、早期退職の爆発的な効果はなく、少し残念な反面、現時点の役職のためか部長とあまり変わりないことに少しほっとしたというのが正直なところだ
退職を決めた後に聞いたのだが、私より先に55歳を迎える社員に対し、退職金の額や今後の給与について会社から説明があったようで、退職金の額を聞いたが驚くほど低い額で気の毒に思ったのを覚えている
これまでの実績や役職によってこれほどまでに差がつくのかと現実を初めて知ってた
これから先のことは分からないが、早期退職制度を使って早く辞める決意をしたのは現時点では正しかったと思っている
今後の等級や役職は上がるのか
当社は等級と号という考え方があり、世間では号俸というらしい。その号俸制度の詳細は、あえて聞いてはいないが、私を含め一般の社員には知らされておらず、きっとある程度の管理職しか知らされていのだと思う。
これまで、号が毎年少しずつ上がっていて、それに比例して給料も若干であるが上がっていたので、それほど不満はなかったが、ここ3年間は号が上がっておらず、おそらく私の等級や役職では上限に到達していたのであろうと思っていた
そこで、あえて面談をしていただいた上司に聞いたところ、これ以上は上がらないとはっきり告げられた
正直予想はしてたが、やはりそうかと妙に納得した
会社は自分をどう見ているのか
あとは会社は自分をどう見ているかだ。
退職をほのめかしている以上、上司から退職理由を聞かれるのは自然なことだ
むしろ聞かれなかったらさみしい。。
「今までやっていた仕事と変わらないのに55歳に到達したら給料が大幅に下がるのは納得いかない」と正直に心情を語ってみた
少しは引き止めがあるかと思っていたが、その上司も会社の方針に従うしかなく、「給与テーブルが決まっている以上、それを変えることはできない」とのこと。
今思えば当然だ。。
上司からは苦肉の案なのか、その場を取り繕うためのか、「だったら今の仕事ではない。別の職場に移動するのはどうか?」と問われたが。。
反射的にそれは勘弁してほしいと言ってしました
この面談で退職が決定的となった
面談をしていただいた上司からすると、私は数十人いる部下の一人の社員でしかなく、その一人がやめようが、会社にしてみると大したことではないことを思い知った
最後に、自分が独立して、今の仕事を自分に発注していただくことはできないかと聞いてみたが、それは即決でNOだった
上司はそんなことを言われるとは思ってはいなかったのであろうが、NOの一言があったからこそ、迷いがなくなったということもあったと思う
年を重ねることと、会社のルールには逆らえないことを悟り、面談をしていただいた上司が悪いわけではないが、この上司との面談が決め手となり、退職を決意した
退職の後日談
筆者が2023年に利用した早期退職制度だが、2024年に廃止なった。とかつての同僚から聞いた
自分は早期退職制度で金額が上乗せされ退職できて、本当に運がいいと感じている
さらには、今になって思うが、現役の内に退職金という大金を、会社にロックされず、現役のうちに手にするのは大変価値があると思う
それは、ホリエモンも言っている
現役のうちに手にした退職金は、2024年から始まった新NISAでの資産形成と、日ごろの生活資金に活用して、個人事業で得た収益は極力節税して益々資産を増やしておこうと考えている