本書のタイトルは、「行動経済学が最強の学問である」とある。本の帯には、「ビジネスパーソンの必須の教養!」とあるがまさにその通りだ。
章立ては。。
- 第一章 認知のクセ:脳の認知のクセが人の意思決定に影響する
- 第二章 状況:置かれた状況が人の意思決定に影響する
- 第三章 感情:その時の「感情」が人の意思決定に
第一章の一部を少し内容を紹介すると・・
認知のクセを生む「大元」は何か?ということで
脳には2つの思考モードがあって、「システム1vsシステム2」と呼ぶらしい。
どういうことかというと、システム1は直感的で瞬間的な判断であり、システム2は注意深く考えたり分析したりと時間をかける判断とのことのようだ。
本書では時々クイズもあり・・例えば・・脳
Quiz
野球のバットとボールが合わせて1ドル10セントで売っています。
野球のバットはボールより1ドル高いです。
別々に買ったら、それぞれいくらでしょう。
という問題があり、直感的に答えを出すシステム1だと間違ってしまう。これが認知のクセによる非合理な意思決定ということらしい。
システム2でしっかり考えると間違えることはない。(答えは最後に記載しました)
自分は最終学歴が高卒で学問とは程遠い世界で生きてきたが、この本を読んでみてこの世界が特に商売に関しては・・行動経済学が生かされていることが思い知らされた。
グーグル、アマゾン、ネットフリックスなど世界の企業は「行動経済学チーム」を設けているとのことだ。
行動経済学は「経済学」と「心理学」が融合してできた新しい学問で、今アメリカでは行動経済学を学んだ人材が急激に求められるようになっているようだ。
それもそうだ、これを知っているか知らいないかによって事業は大きくかわるだろう。
この本を読むと世界が違って見え、本書にも記載があるが「このサービスは行動経済学が裏にある」というのが分かるようになる。
この他にも、五感の認知のクセや時間の認知のクセ、状況による決定、多すぎる情報や選択、ナッジ理論など、あらゆることが体系的に書かれていてとても面白い。
これを逆手にとってビジネスに生かしていくことは大変効果的であるどころか、この理論を理解していないとビジネスは成長できないと思い知らされる。
著者は「行動経済学」博士。行動経済学コンサルタント。日本人として数少ない「行動経済学」博士課程取得者であり、行動経済学コンサルティング会社代表の相良奈美香さんだ。
大変勉強になり、事業主もそうだが会社員であっても大変ためになる。まさにビジネスパーソンの最強の学問いっても過言でないので、是非皆さんもこの本を手に取って読んでみてはいかがでしょうか。
Quizの答え:バット1ドル5セント、ボール5セント