退職後の仕事を考える

個人事業主

自分は高校を卒業後ITサービス業の会社に就職した。

専門職といえばそうなのかもしれない。もっぱらお客様先でシステムの管理を行う仕事で、いくつかのお客様先で仕事をしてきた。

業務システムを導入する企業は比較的大きな企業であり、お客様は比較的高学歴で世間一般的に言えばエリートなのだろう。

自分は高卒で就職してからこれまで高学歴のお客様を相手にして、高卒ということで劣等感があったのかもしれないが、待遇や仕事に特に不満はなく転職は考えもしなかった。

これまでの給料は世間一般に比べるといたって平均的で特に不満はなかったが、この齢になり退職や転職を考えなければならないなんて皮肉なものだ。

さほど優れた技術や能力がなく、この年になって転職しても給料が上がるとは思えない。上がったとしてもかなりの苦労や心労が絶えないだろう。

まだ子供の学費もかかるし住宅ローンも残っている。

今の職場は専門性が求められ、業務システム導入当初からのお付き合いということもあり、職場の中ではベテランのおじさんとみられているようだ。

今はエンジニア不足なのか、専門性が求められるからか、それとも仕事がきついからか、業務委託を募ってもなかなか人が集まらないと聞く。当社にも声がかかるが人が確保できずお断りするしかないとうのが現状だ。

会社は得をするのに自分は損をする。だったら自分を直接使ってもらうことを考える

お客様が当社にお支払いいただく価格は変わらない、もしくは交渉によっては上がるのに、自分が55歳になってもらう給料は下がる。これでは会社が得をするだけだ。

図らずも、今のお客様とは長いつきあいだ。当社の営業や上司より、お客様と話しをする機会は大いにある。

そこで、意を決して以下のようなことをお客様に相談してみることにした。

  • 今の仕事は大変だがやりがいを感じている
  • 55歳になると給料が下がる
  • 会社を退職しても今の仕事を続けられないか

ただ単に、給料が下がるから助けてほしいとお客様にすがってもお客様を困らせるだけだ。
この時点では、ある程度退職を考えていて、相談は、今の職場で使ってもらうために前向きに考えていると思ってもらうように心がけるようにした。

フリーランスや個人事業主ではどうか

自分が働いているのは、巷である程度名の知れた法人だ。

自分に仕事を直接発注してくれるにしても、相談した方が決定できるはずもなく、ある程度権限がある方の判断や場合によっては根回しも必要となる。

となると、いくら長年一緒に働いてきたとはいえ、フリーランスや個人事業主ではあまりにも信用がない。お客様の立場に立ってみれば当然だし、相談した方にしてみれば、いくら私を必要としてくれていても、さらに上の方からすると信用がないので、やめておけと言われかねない。そうなったら終わりだ。

会社設立を考える

話は逸れるが、これを読んでくれている方は知っていると思うが、会社には株式会社と合同会社がある。

昔は株式会社と有限会社だったが、有限会社は2005年の会社法制定時に廃止になったらしい。

会社員として株式会社に所属しているときは、そんなことはあまり気にしていないが、退職を機に色々調べていくと、あまりよく考えていなかったことが見えてくる。

株式会社は日常よく聞くが、合同会社というのはあまり聞かない。
イメージは、有限会社が合同会社に変わったと単純に思うが、どうやらそうでもないらなしい。

株式会社と合同会社の違いは、専門家ではないので割愛するが、世間一般にはまだまだ株式会社のほうが信用があると思うが、いずれは合同会社も一般に広く知られていくと思う。

設立にかかる費用については、株式会社が約20万、合同会社が約6万と違いがあるが、昔と比べ会社設立のハードルは下がったと聞く。
ただ、どちらにするにしても費用の違いではなく、今後自分がどうしたいかだ。

直接使ってもらえるなら、会社設立も考えるがそう単純な話ではない。

株式会社や合同会社にするにしても、これまでの取引もなく、ただ一人のシステムエンジニアを使ってもらうというだけが目的の会社では契約は難しいだろう。。。

使ってもらうことを最優先に考える


自分が相談した方は、とても顔が広く、個人で会社を経営されている方や、会社役員と個人事業主を営んでいる方など、知り合いが多いようだ。

その方々に声をかけてくれ、自分が独立を考えていることについて、相談をする場を設けていただいたた。とてもありがたく、感謝してもしきれない。

今までの自分は会社の看板があり、お付き合いする相手もせいぜい部長など普通のサラリーマンだ。
相談した方の取り計らいで集まっていただいた方々は年齢は私と同等かそれ以上であるが、非常にパワフルで生き生きしているように思え、自分もそうなりたいと心から思えた。

相談する場といっても、相談した方の中では考えは決まっていたのであろう。
契約方法としては、自分と直接契約するのではなく、個人で会社を経営している方に間に入っていただくということだ。いわゆるエージェントだ。

それは一つの選択肢として考えていたことではある。

これまでの仕事を続ける。続けられることを最優先に、紹介いただいた会社経営者に間に入っていただき、これまで働いた法人と契約をしていただくよう話を進めることに同意した。

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